はじめに
キャピキシル・ピディオキシジル・リデンシルetc・・・
育毛剤業界は約5年前一つの過渡期を迎えました。
それは成長因子時代。
これにより既に怪しかったものや、自由研究に毛の生えた程度の試験データでドヤ顔かましてた成分たちが過去のものとなりました。(子供の喧嘩にボクサーが割って入ってきたレベル)
成長因子でヒト成長ホルモンを活性化させ発毛を促進!的なイメージで薄毛界の救世主になると思っていましたが、そんなことはなく、ただただ効果のない新たな成分が増えただけでした。
薄毛歴の長い方たちはご存じの成分かもしれませんが、薄毛初心者ならいざ知らず。
確実に飛びつき金と時間を失うのが目に見えている。その誘惑に警鐘を鳴らすためにこの記事を書きました。
リンデンシルとは?
スイスのInduchem社によって開発された成分で2014年にドイツで開催された世界的化粧品原料の展示会では見事に銀賞を獲得しました。
※キャピキシルは2011年に展示会で同賞を受賞しました。どっちも鳴かず飛ばずですが。

・チャ葉エキス
・グリシン
・塩化亜鉛
・ピロ亜硫酸Na

何だか知らんが、面白くなってきやがった

もう少し詳しく見てみましょう。
リデンシルの効果
リデンシルは、複数の成分を組み合わせて作られたプレミックス成分です。その中でも大切な要素を担っているのが、「DHQG」と「ESCG2」
DHQGが毛乳頭を活性化?
リデンシルに配合されているセイヨウアカマツ球果エキス(マツエキス)には「DHQG(ジヒドロケルセチングルコシド)」という成分が含まれており、
これがバルジ領域に働きかけることによって、幹細胞の分化を促し毛乳頭細胞の代謝を促進する。と公式文書にはかいてあります。特許成分です。
「成長期」成長期の髪の割合を増やすことで本来のヘアサイクルに戻そう。というのが理論上のスペック
上記画像はDHQGがバルジ領域に働きかけ、上皮成長因子(EGF)10ngの添加と比較し最大30%増加したという報告です。
ただし、このデータは培養した細胞での話であり、ミノキシジルのように実際に人の頭皮で試験したわけではありません。
なので実際に「こういった結果になるか?」というと環境が違いすぎるため、「はい、そうです。」とは言えません。
ESCG2が炎症を21%抑える?
もう一つの主要成分ESCG2はヒトケラチン生成細胞から放出され炎症などを引き起こすIL-8を阻害するとのこと。
この実験は、頭皮の炎症を引き起こす因子「IL-8」に対し、ESCG2を加えた場合と何もしなかった場合を比較した試験です。。
このグラフはで左端が、元々のIL-8の量です。
真ん中がIL-8を誘発させたもの、そして右端がESCG2を加え、かつIL-8を誘発させたものです。
結果は、ESCG2を加えたものが、ただIL-8を誘発させたものと比べ、21%も発生率を抑える結果となりました。
このことから、ESCG2には頭皮の炎症を抑えるなどの実感があることが確認さた。というもの。
たしかにドイツで銀賞をとったことあるだけに、ちゃんとした効果ももっているみたいです。

すごい!リデンシル素敵♡

そう思ったあなた。悪徳サイトの思うツボです。
勘違いしないでほしいのはAGAと炎症は全く関係ありません。5αリダクターゼの感受性とDHTの産出を抑えないといつまでも薄毛にブレーキがかかりません。

仮にあなたの薄毛に炎症が関係していても、真犯人はAGAなのでここを抑えないと被害毛は増えていくだけです。
ESCG2が炎症を21%抑えるのは本当みたいですが、そりゃ何もしないのと比較すれば何%でも下がれば効果ありと言えるだろ。
なによりこれも試験管でのデータ。
頭皮には皮膚バリアがあり、角質層よりも奥に浸透させようとすると、500ダルトンルールが必要となります。しかしリデンシルにはそれらの記述はなく、浸透率も不明。
試験管内の髪は皮膚バリアがないため、直接バルジ領域に作用することができたかもしれませんが、頭皮ではそんな簡単にいけない。真相は闇の中・・・

価値のない臨床試験データ
ミノキシジルの2倍の効果
ミノキシジルの2倍の効果。と一部から声高々に宣伝するのはこのデータからです。
抜いた男性の髪の毛にミノキシジル1%、リデンシル1%を施し、7日後と10日後にどれほど成長するか?という試験です。
たしかにミノキシジルの2倍の効果があることが確認できます。

さすが!リデンシル素敵☆

結末は同じ・・・
しかし相変わらず試験方法は試験管での培養試験。いい加減頭皮で試験しろよと思います。
頭皮で試験はいているも・・・
実はリデンシルしっかり人の頭皮でも試験を行っています。しかしツッコミどころが多すぎる。
一つずつ見ていきましょう。
①下記画像は3か月にわたり、3%のリデンシルがどれほど効果を表すか?という試験です。
頭皮での試験では、なぜかミノキシジルを使用せずにプラセボ(偽薬)と比較試験を行っています。
それどころか1ヶ月目の結果ではプラセボの方が効果が出ています。ミノキシジルとならまだしも、偽薬との比較でどうだ!と言われても・・・培養試験ではプラセボ、ミノキシジルと二重盲検試験で比較してくれたのに、なぜ頭皮試験ではミノキから逃亡したのか?
②下記画像は①と同じ条件で今度は休止期の髪の減少率についてです。
3%のリデンシルを使用することで3ヶ月後には休止期の髪の毛が17%減ったという結果が出ていますが、プラセボでも約14%減少しています。
思い込みが結果に繋がっているのがよくわかります。これではリデンシルにもかなりの思い込みが干渉しているのでは?と疑いたくなります。
追い打ちをかけるようですが、減少幅に注目するとプラセボ7%に対しリデンシルは6%と逆転。
正直見る人が見ればおかしいと思う試験結果をよく発表したなと逆に好感が持てます。
写真付きでデータの公開もあり期待できるように見える分、そこでプラセボだけでなくミノキシジルとも比較してほしかった。なにせミノキシジルの2倍の効果があるのでしょ?
どちらにせよ、試験データは自社試験のみ。と信憑性には欠けるというか、他の人種でも効果は同等か調べてほしい。
せっかく素晴らしいデータがあるなら、もっと臨床試験を組んで徹底的にミノキジルを蹴落としてほしいが、それができない理由があるのでしょう。
副作用の心配は?
リデンシルに副作用はありません。
参考文献にも記載はないです。しかし正しくは、
副作用が「ない」のではなく、副作用の「試験をしてない」
というのが本当のところです。
実際リデンシルの論文には副作用の試験に関する記述がありません。
それを様々なサイトでは「天然成分だから副作用の心配がない」などと抜かしてますが、それは間違い。
ひどいところはAGA治療薬を引き合いに出し、「プロペシア・ミノキシジルには副作用がある!」と非難してきますが、これらの成分に副作用があるのは、
発毛剤等の効果のある医薬品は、効果・安全性・副作用を検証する臨床試験を必ず行っており、それを含め「このくらいの効果と副作用のリスクが存在する」と明らかにしているため、副作用が何%で起きる可能性がある。というところまではっきりされています。

使用者に危険が及ばない、無茶な使い方をされない、さらに安全範囲を明確にするため、副作用の試験は必要不可欠です。
効果の怪しい成分を読者が都合よく誤認するように記載。
都合の良いデータは出すのに、副作用等のデータは試験すらしない。正しいことではありますが、第3者のことを考えると、副作用が未知数のリデンシルと副作用のあるAGA治療薬なら、後者の方が安心・信頼できる気がします。
といっても、本当にリデンシルには副作用がないのかもしれない。つまり発毛するほどの効果もないのだろう。
美容外科手術や皮膚の抗炎症で効果は認められても、人の頭皮で発毛とは別問題。
せめて副作用の試験をするか、もっと違う場所で同等以上の試験で効果を証明してほしい。

リデンシルが配合されている育毛剤

つまりブラック〇ストといったところです。

また怒られるぞ。伏字にしとくぞ。
・プ〇ン〇ルEX
M字専用で有名なところ。専用なんてわけない。リデンシル配合してEXになるも配合率は他より少ない
・リ〇ン
他育毛剤が色々成分を入れる中、ほぼリデンシルだけで勝負してる。最近内容量が25%減るという前代未聞の事件が起きた。
・De〇〇er3D・De〇〇er
昔1年半ほど使っていた。効果はなかった。3Dは1本1万4500円。ひと箱6万ちょっとするプレミアBOX買ったのは黒歴史。
・バイ〇〇ウェーブ
劣化De〇〇er3D。滅茶苦茶使いたかった。使わなくてよかった。いつか個人的に記事をまとめたいが、全く話題をきかないのでまとめる意味ないかも。
・育〇剤〇ルソナ
遺伝子検査をしてからオーダーメイドの育毛剤を提供する。すごく感じるが、使用される成分がリデンシルのほかにM-034やキャピキシル等効かないものだらけ。遺伝子検査は良くてもそのあとにくる育毛剤は効果があるとは言えない。定期以外では高くて頼みにくい。
まとめ
②バルジ領域に作用し発毛を促すらしい。
③炎症を抑える。
④ミノキシジルの2倍の効果がというが、実際は培養試験。
⑤なので頭皮から浸透し本当にバルジ領域まで到達するかは不明。
⑥炎症抑えようがバルジ領域刺激しようがAGAには効果なし。
⑦人の頭で試験はしているがミノキシジルと比較していないため優位性が不明。
⑧その試験でもプラセボが好成績をたたき出しているため、思い込みが介入しすぎ。
⑨副作用はないのでなく、試験をしてない。
以上のことでリデンシルは薄毛に効果がない。ということを個人的意見としてに述べさせていただきました。参考までに。
医学の発展により昔に比べ、色々薄毛に効きそうな成分が発明されてきました。しかし現状ではAGA治療薬の牙城を崩すことができません。
それでどころか胡散臭い試験データを載せる始末。しかもこういった成長因子を使った育毛剤は1万円越えが当たり前。
外用薬ならフォリックスを使用すればミノキシジル濃度を変更でき、リスクを減らすことも可能です。高額で手が出せないというなら、おなじミノキシジル外用のカークランドなら3000円台で購入ができます。
安全のため、副作用のないものや、天然成分に手を出すのは遠回り。これは私の失敗談。
安心ほしさに副作用のない育毛剤に手を出しても、一人で治療しているのと変わらないので、効果が出ないときに発狂するのは同じです。
安心して治療したいなら、AGA専門クリニックを訪問した方が、結果的には安心だと思います。
コロナで外出できなくてもオンライン治療を行っているところもありますので、こちらの記事も参考に。

前回が話題にならなかったので、今回も無事にかけました。
それでは今回はこの辺で。
またこんど!
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