男性型脱毛症診療ガイドライン。
正式名称は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」
一言でいえば「ランク別薄毛を治す早見表」です。
なにが本当に効果があるのか?この表が一番信頼できます。
個人的意見も含めたり、あの辺の成分をボロカスに言ったり、徹底解説していきます!
男性型脱毛症診療ガイドラインとは?
正式名称「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」は、
日本皮膚科学会が科学的・医学的根拠に基づき、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症に対して、効果的な成分や治療法の推奨度を判断し公表している判断基準です。
目的としては、近年、男性型脱毛症の病態解明が進むとともに有効な外用・内服の治療薬が開発され、皮膚科診療においても積極的に使用されるようになった反面、
皮膚科医の立場からは無効といえる科学的根拠に基づかない民間療法が社会的に横行し、無効な治療法を漫然と続ける患者も少なくなかったため、
医師、患者双方にとって標準的治療法を提示することで、本邦におけ る男性型脱毛症診療水準を向上する。出典:日本皮膚科学会ガイドライン
というのが大義名分。

詐欺商品、誇大広告、ミスリードの有効成分から消費者を守るためのありがたい表です。

ここで評価されていないものは、信用できないのと同じだ!
脱毛症診療ガイドライン解説
もっと詳しくはここをクリックしてもらえれば、ガイドラインがどうして評価を下したのか?だれがどういった目的か?それぞれ評価した解説など、不明な点は全てここを見れば解決できます。
やはり最高評価のフィナ・デュタ・ミノキ
歴史も試験の方法、規模、人の頭皮での結果。
全てにおいて他の成分と圧倒的に差がある三種の神器がここでも評価されています。
A評価:行うように強く勧める
今回新規に追加されたデュタステリド。1.5倍の効果とうたわれてますが、ガイドラインは冷静で、
「デュタステリドの全毛髪数と毛直径はフィナステリドに比べ、増加方が優れた。という結果を示したが、直径60μm以上の硬毛数では有意差はなかった」と解説されています。
フィナステリドより効果が高いのは間違いないですが、極端な差はないと評価されているようです。
ここでもフィナステリド・デュタステリドの女性への使用は「D(行うべきでない)」評価とされ服用はもちろん、触れることすら禁忌とされています。

アデノシンの躍進と植毛とレーザー治療
評価が上がったアデノシン
改定前(2010年)ではアデノシンは「C1(行ってもよいが、十分な根拠がない)」という評価だったのが、「B(行うように勧める)」に昇格しています。
理由としては、
・その3件全てでアデノシンの有効性を示せていた。
・なかには外用ミノキシジル5%と比較し同等の発毛効果を認められた。
というのが大きいと思います。
しかし「A(行うように強く勧める)」評価までいかなかったのは、評価データが少なかった事などが原因だと思います。
やはりA評価は偉大である。
「B」評価も落とし穴のある植毛
と聞こえはいいですが、
とデメリットがあり、日本皮膚科学会的には「その場しのぎ」「治療とはいってないが、薄毛改善は一様できている」理由から「B」評価になったのだと思います。
低出力レーザーに対しての言及
2017年ガイドラインで新たに追加された「LED及び低出力レーザー」。
日本では全く見ないですが、アメリカFDAは科学的データあり。と評価しています。
日本皮膚科学会も
・副作用は比較的軽微であった。
・医学界でレーザー治療は昔からある。
等のおかげで評価を上げています。
なら育毛民はみんな試しているのか?とういと、
・めっちゃ生えた!というほどの報告が少ない
・データはあるも効果が不透明
・やっぱり怪しい
といったところがネックなのか有名な割に使用者は少ない印象です。
アメリカでは高評価も日本が承認していないことが引っかかるのか、これまた「B」評価どまりです。

高額ですが、保証期間や、耐用年数を考えると、比較的安いと言われています。
評価が悪い成長因子
ハーグ治療が一番有名ですね。簡単に言えば
「ミノキシジルや様々な成長因子を直接気になる部分に注射で注入する」
という治療法。
悪徳クリニックからまともなクリニックまで治療方法の一部に組み込んでおり、「医学的・科学的根拠はあるが副作用はない」といった触れ込みで、高額にもかかわらず複数回の注入を勧めてきます。
このガイドラインの協力者にAGAクリニックの方も参加されているので、そちらに対しての忖度、あるいはオブラートに包んだ表現が来ると思っていましたが、それは杞憂。
実際は「C2(行わないほうが良い)」評価。
「安全性なども含め、その有効性は決して十分に検証されているとはいえない」とバッサリきり捨てられています。

ハゲからむしり取るような金額に対し、効果が不透明且つ、設備が整っていないところが安易に手を出さないようにしているのもあると思います。

かつらとミノタブ
意外だったのが「かつら」への言及。
ハゲに「かつら」は悪手だと思うが(そもそも薄毛は改善しない)、ガイドライン的には「C1(行ってもよい)」評価です。
どうやらQOL(クオリティ・オブ・ライフ)という指数が向上したため、薄毛は改善はしていないが、精神的負担が軽減された。日常生活から不安が薄くなり向上した等の理由から、あくまで「行ってもよい」と評価されたのだと思います。
ミノタブの悪評価の真相
薄毛者を何人も救ってきたミノタブ。信頼も効果も世界最強の発毛剤であるところのミノキシジルタブレットですが、ガイドライン評価は「D(行うべきでない)」と最低評価。
効果があるというのは嘘だったのか!?というとそうではなく。
実は内服のミノキシジルは、本邦では発毛薬として認可されていません。外用薬のみ許可されています。
それ以外にも内服用製剤には高い効果の反面、副作用もいくつかあります。発現率はかなり低いですが、なかには心血管系障害に影響するものもあります。
そのあためか、全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に、専門クリニック以外の医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるため、そういった人たちのけん制も含め、「D(行わないように強く勧める)」評価に位置付けられた可能性がある。というのがDクリニックで実際に先生から言われた言葉です。
以下Dクリニックでのやりとり

D評価ですが、今後ミノタブは処方されなくなりますか?

それはありません。専門医が効果から副作用までしっかり把握しており、処方量などに細心の注意を払うため、安易な処方を行いませんので。

では、ガイドラインの評価は無視するのですか?

無視はしません。建前上はD評価ですが、効果は絶大なので使用するのが本音です。その効果のみ評価して、副作用を無視し処方する医師、効果だけ求め危険な濃度で処方する医師がいるため、こういう評価を受けたのだと思います。専門クリニックでは医師も専門医なのでそのような危険はありません。

評価に値しない化粧品成分
2017改訂版が出るときに一番期待したのが、M-034やキャピキシル等の新たな育毛成分についての言及。
ツッコミ所満載の試験結果も、いちよデータとしたはあるので、どう評価を下されるのか?ついにフィナ・デュタ・ミノキの牙城を崩すことができるのか?気になっていました。
しかし2017ガイドラインにはそれらの名前は一つもなく、新たな成分の追加もほとんどなく、やや肩透かしを食らったのが正直な感想。
しかし裏を返せば、試験方法の杜撰さ、規模などから、論ずるに値しないレベルであることが伝わります。
せめて自社以外での試験データも出せよ。といったところでしょうか。
仮に怪しい成分がA評価とされていれば、このガイドライン自体の信ぴょう性を疑ったか、その成分を褒めたかですが、確実に前者です(笑)


まとめ
まとめると、今回のガイドラインは個人的には満足しています。
新たにデュタステリドが追加されたり、アデノシンが躍進したりと、それに対し、追加・昇格に関してもちゃんとした理由が明記してあり、やっつけではなく、真剣に改定された感じが伝わってきました。
ただ、薄毛改善にはフィナステリドとミノキシジルが一番有効というのは変わらず。
裏を返せば新たな発毛成分、方法が開発されていないということ。
私も開発業に携わっていたこともあり、こういった新商品が発表され世に出回るには、最速でも10年はかかります。
なんとか私の薄毛がそれまでもちますように、できれば改善していますように・・・
Twitterで酷評していた成分が高評価されてなくて一安心したのはここだけの話。
今回も長々とお付き合いありがとうございました。それでは失礼します。
またこんど!


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