AGAの薬について調べれば、必ず目に入るのが「フィナステリド」(薄毛治療薬プロペシアの成分)です。
でもその「実際の効果」て気になりませんか?
ここではフィナステリドの効果・副作用等を隠すことなく説明していきます。
試験結果
まずは手っ取り早く試験結果から見てみましょう。
プロペシアの試験は二重盲検試験(ダブルブラインドテスト)という方法をとっています。
この試験は、実施している薬や治療法などを、医師からも患者からも不明にして行う方法であるため、心理的要因(おもいこみ)等が発生しにくく、より正確な薬効の評価ができます。
難しい話をしましたが、要は効果のない育毛剤のなんちゃって試験とは違い、非常に信頼性の高い試験となっております。
- 日本での臨床試験結果
- 海外での臨床試験結果
プロペシア®の海外臨床試験結果(Kaufman K D et al. Eur J Dermatol 2002; 12(1): 38-49.より作図)
2つのデータからプロペシアには明らかに薄毛を改善する効果があることがわかります。
さらに複数年使用しても効果は問題なく、改善のみなら約6割。
3年間で進行した人は全体の3%以下と薄毛の進行を阻止することに関してはほぼ100%に近い数値です
フィナステリドの効果
フィナステリドは、男性ホルモンのテストステロンをDHTへ変換する酵素である
5αリダクターゼを阻害することによって作用します。
この5αリダクターゼ(主に2型)を阻害することで、脱毛指令を出すDHTの産出を抑えることができ、結果、抜け毛を減らします。
これによりAGAの影響で短くなっていたヘアサイクルが正常に戻り、髪が頭皮にとどまり太く抜けにくくなります。
しかし抜け毛抑制のため、ミノキシジルのような発毛を促す効果は期待できません。

早い段階で治療をスタートすれば、将来の心配はほとんどいりません。
まあこんな感じです。
上記の画像のとおり日本皮膚科学会からも強くすすめられており、実際AGA治療の専門クリニックでは、男性に対して基本的にミノキシジルとフィナステリドが処方されます。
発毛促進「攻め」のミノキシジルと薄毛抑制「守り」のフィナステリドのセットで、
強く太く抜けにくい髪の毛を生やそう!というわけです。

5αリダクターゼの量は母型の遺伝子で決まります。
効果が出るまでの期間
フィナステリドは、ヘアサイクルの関係で効果を感じるまで、最低でも3ヶ月はかかります。
なお、抜け毛の抑制がメインの「守り」の成分のため、私みたいに薄毛が進行している状態で発毛を期待しすぎていると、効果の実感はさらに難しくなると思います。

AGA治療薬全般に言えることですが、ヘアサイクルの関係で最低でも3ヶ月はかかります。

1か月で効果実感!とかぬかす広告は人体の構造的にありえない!
信じるな!
フィナステリドの使用方法
内服が一般的です。
確かに外用も存在しますが効果としては内服以下と考えられます。

これはミノキシジルと同じ理由なのと、臨床試験が内服のみしか行われておらず、効果が不透明だからです。
★フィナステリド薬の飲み方
・アルコールといっしょに飲まない
・飲む時間に決まりはない
・24時間周期で飲むようにすると、
体内の薬剤濃度が一定に保たれやすく効果が得られやすいと考えられている

AGAで使用するフィナステリドの容量は最大で1mg(0.2mg~1mg)とされており前立腺治療の約1/5程度となっています。副作用を無視するわけではないですが、発症リスクは低いと考えられます。

そもそもフィナステリドって何者?
薄毛の救世主「フィナステリド」実は薄毛改善のために開発されたものではありません。
もともと、前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発された医薬品です。
その使用中、多数の患者に髪の毛の発毛が確認され、臨床試験を行った結果、
AGAの治療薬として米国食品局(FDA)から認可されました。(アメリカのこういった組織は日本と違い、開発企業を潰そうとする勢いで厳格な基準等を要求してきます。)
日本では、プロペシアという商品名で流通していますね。
フィナステリドの弱点
①発毛は難しい
あくまで守りの成分のため発毛まで持っていくのが難しいのです。
専門のクリニックでも、「フィナステリドの単独処方のみでは毛髪の現状維持が基本」と言われ、「発毛まで期待するならミノキシジル等の発毛剤が必要」と説明されます。
試験結果で「6割の方が改善」と説明しましたが、これは数字のトリックで中程度・軽程度も含まれています。
実際この話をDクリニックでしたところ「フィナステリドのみでびっくりするほど改善するのはごく稀ですよ」と正直に答えていただきました。
②女性は禁忌 妊娠時のリスク!
男性には効果的ですが、女性の場合使用は勿論、触れることすら禁止されています。
なぜかというと、男性ホルモンを減らす作用があるフィナステリド、しかしDHTは男性のみならず女性にも存在し、男児を妊娠する際に使用されます。
女性が男児を妊娠すると、細胞分裂を繰り返して男児の生殖器を形成していく際に、DHTが必要になります。この時に女性がフィナステリドを服用などしてDHTが減少したとすると、もしかすると性器に発達障害のある男児が生まれるのではないかと言われています。(あくまで可能性の話です)
※もちろん女性の薄毛改善方法は存在しますのでそちらも参考ください
フィナステリドの副作用
①初期脱毛
フィナステリドは抜け毛を抑える働きが中心のためミノキシジル程は初期脱毛は比較的起こりにくいと考えられています。

実際私が使用した時も目に見えては感じませんでしたし、Dクリニックの先生からも悲観するほどはおきないと言われました。
②献血できない
これは血中にフィナステリドが在中するため、もし献血した血液が女性に輸血された場合上記に説明したことが起きる危険があるため原則禁止されています。
献血をする際は、フィナステリドを1ヶ月以上服用を中止する必要があると推奨されています。
誤って行った場合、献血は特定されます。速やかに連絡してください。
③男性機能の低下・性欲の減退
フィナステリドの副作用でもっとも多いのが性欲(リビドー)減退で、2%程度の頻度で現れるとされており、次いで勃起障害(ED)や射精障害が挙げられるなど性機能に関するものが多くなっています。
そもそも男性ホルモンであるDHTを減少させて起きた結果ですので、薄毛の改善には向かっているとも言えます。
一般的に薄毛は40代の前後の人に多いです。となると副作用関係なく男性機能、性欲は減退します。それを副作用だ。と勘違いしたり、ずっと飲み続けていた人が30を過ぎ、昔ほど元気でなくなったとき、副作用のことを思い出しこじつけたりなどするため、より過剰に反応されているのだと思います。
とくに男性機能は思い込みが影響されやすいので、必要以上に考えたり無理にこじつけない様にしてください。
詳しくはこちらの記事に乗っているので参考にしてみてください。
まとめ
といったところです。どうでしたか?少しは参考になればと思います。
もう少し踏み込んだ内容は今後も更新していこうと思いますのでどうかお付き合いと、温かい目で見守ってくださいプロペシア(EU版)1mg
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