未だに熱い9月。前髪をバッチリ決めても汗で知らないうちに悲惨なことになってしまっているミノキシ汁です。
ミロさんから下記のような質問を頂きましたのでお答えいたします。
遅くなりましたが、ピディオキシジルの記事ありがとうございました。
そこでまた質問があるのですが、
デュタステリドは韓国と日本のみでしか承認されていないため、効果には懐疑的。とネットにかいてあったのですが、
フィナからデュタへの切り替えで効果が落ちるとかありますか?
お時間のあるときでかまいませんのだ、その辺を教えて下さい。それでは失礼します
今回もコメントありがとうございます。
コメント返信では長くなりそうだったので、今回も記事にさせていただきました。
最後におすすめデュタステリド錠も紹介しているので是非!!
というわけで
・フィナステリドからデュタステリドに変更しても効果はあるのか?
について今回は解説させていただきます!
そもそもデュタステリドはなんだ?という方はこちらの記事からどうぞ
デュタステリドの承認国
承認されているのはたった2か国!?
世界的に発毛が認められているフィナステリド・ミノキシジル。
どちらも日本の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では最高のAランクに指定されています。
そしてデュタステリドも最高評価のAランクに指定されています。それならデュタステリドも世界的に承認されているか?」というと、そうではありません。
実はデュタステリドを発毛薬として承認しているのは日本と韓国のたった2か国しかありません。
許可された順番では韓国➡日本といった流れです。
よりによって日本以外で唯一承認しているのが、最近の国際情勢や捏造等色々なところで揉めている韓国となれば、それだけでデュタステリドの効果を不安視してしまう方も少なくないと思います。
フィナステリドの1.6倍の効果がある。とされ、事実Dクリニック等のAGA専門クリニックでは、さらなる効果を求めるときに提案されるほど、効果はお墨付き。
ならなぜ、アメリカやヨーロッパでは承認されていないのか?その真理に迫ります。
なぜアメリカで承認されないのか?
デュタステリドの誕生
デュタステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬としてイギリスのラクソ・ウェルカム社(現グラクソ・スミスクライン社)で開発されました。
それをいち早く承認したのはヨーロッパ(グラクソ・スミスクライン社の地元)ではなく実はアメリカです。
ちなみにアメリカでの承認は2001年11月、ヨーロッパは2002年7月と半年の差です。
その後日本で前立腺肥大症の治療薬としてデュタステリドが承認されたのは2009年。
アメリカは約8年も前にデュタステリドを承認していたことになります。しかも一番乗りで。
にもかかわらずアメリカのFDA(食品医療品局)はデュタステリドをAGA治療薬としてはいまだに承認してません。
じゃあアメリカ人のみならず他国の人間は使っていないのか?というと、医療機関では処方していなくとも、おそらく個人輸入はしているでしょう。
事実デュタステリドの臨床試験は海外ですし・・・
同じ処遇にあるフィナステリドやミノキシジルはAGA治療薬として承認されているのに・・・
この背景には何があるのでしょうか?我々はその謎を解き明かすべくジャングルの奥地へと向かった・・・
というのは嘘で、いくつかの仮説が唱えられています。
費用対効果が最悪
新たな薬を承認してもらうためには多くの資料や厳密かつ大規模な臨床試験が必要になり、その費用は莫大なものになります。
ミノキシジルタブレットの臨床試験がすすめられない理由と同じです。
デュタステリドはすでに前立腺肥大症の治療薬として認可されてはいますが、AGA治療薬としての認可となると話は別。
もう一度0から資料や試験を行う必要があるため再び大きなコストが発生し、時間も人も大量に必要になります。特にアメリカはこういった薬やサプリメントの試験には非常に厳しく、「製薬会社を潰しにかかっている」と言われるほど厳格です。
そんな扱いの中、既に効果が示されているものをもう一度調査するにはうまみがないとのことなのでしょう。
アメリカはミノフィナで十分!?
当時アメリカではフィナステリドとミノキシジルが発毛剤として圧倒的な地位を築いていました。
そのためデュタステリドの販売元であるグラクソ・スミスクライン社がアメリカで一旗揚げようと思ってもコストに見合わないと判断し、アメリカのFDAに対しデュタステリドをAGA治療薬として申請しておきながら辞退したという経緯もあります。
フィナステリドのせいで承認されなかった?
プロペシアの主成分であるフィナステリドには、性欲減退や勃起障害といった性機能障害の副作用がある。というのは散々発信しました。「思い込みの要素が強い」ということも含めて。
しかし2010年頃からこういった副作用が永続的に続く「ポストフィナステリド症候群」の存在が話題になります。
これは、フィナステリドの投薬を中止した後も性機能障害が続き、うつ症状に発展する。といった症例です。
この「ポストフィナステリド症候群」が不安視されることにより、フィナステリドと作用が同じ且つ効果は同等以上のデュタステリドの承認に時間がかかっているという噂です。
とはいえポストフィナステリド症候群の調査の対象となる男性71名(21~46歳)は
フィナステリドを平均28ヶ月間使用し、その後平均40ヶ月後にインタビューを受けています。
つまりフィナステリドを使い始めてから5年半以上が経過していることに。
それだけの期間があれば加齢や若い頃の勢いと比べれば性欲は落ちているんじゃないかと疑問がわきます。
当時25歳だった人は30歳に。46歳だった人は51歳に。そりゃ何もしなくても体力は落ちますし、性欲、あるいは射精の勢い、一度に2回戦もできなくなったとか・・・
そんなわずかな変化でも「性欲が落ちた」と考えれば、無理矢理フィナステリドとこじつけ、すぐに悪者にできます。
事実ポストフィナステリド症候群にはエビデンス(科学的根拠)が存在していません。一部の人間が騒いでいるだけ。少数の声がでかすぎる。
とはいえ、訴訟問題にまで発展しているものもあり、ミノキシジルと同じで「0.01%でも可能性があるなら発現するとみなす」実情から、「ポストフィナステリド症候群」は「限りなく0に近いが0ではない」とされ、FDAが認可に二の足を踏んでいる可能性があります。
更年期障害で勝手に性欲が落ちることもある。それとごっちゃになってしまっているのではないか?
フィナステリドを服用するとき水を飲むだろ。もしかしたら水が性欲減退に繋がっている可能性もあるのだ!
そんな馬鹿な。と思うかもしれませんが、その原理と似た内容がポストフィナステリド症候群です。
といっても、性欲減退を感じる人がいるのは事実。そういう人たちのために専門クリニックは性欲増強の薬も扱っています。
フィナステリド・デュタステリドの切り替え試験
もうここは素直に結論から行きましょう。
こちらの臨床試験は2014年に、
その後デュタステリド0.5mgを6ヶ月間投与し有効性の検証が行う。
というものです。
フィナステリドで効果がなかった者のみ集められたのか!AGAが強力なのか?AGAじゃなかったのか?その結果やいかに!
この治療を完了した31人中、薄毛の改善が確認できたのは約77%にあたる24人。
内訳は軽度改善17人、中等度改善6人、著明改善1人。
改善しなかった7人に関しても悪化は報告されておらず、少なくとも「効果」という点においては、フィナステリドからデュタステリドに切り替えで、「薄毛が悪化する」「効果が期待できない」ということはない。ということが分かります。
そもそもこの試験信頼できるの?
毎回、効果のない育毛剤や育毛成分が自慢げに公表している試験データをバッサバッサと切り払っていくこのブログ。
デュタステリドだからと言って、そこを逃がすわけにはいきません。
ということで、次は「この臨床試験は信頼に値するものか?」を解説していきます。
フィナステリドとの比較試験はこれだけ
フィナステリドからデュタステリドに切り替えた場合の効果や副作用について検証した試験はこれ以外に存在しません。
ならばこの試験の信頼性がどれほどのものか?と言われれば、さらなる比較対象がないので、正直わかりません。
唯一ある試験データは韓国のもの
この試験の開催場所はお隣、韓国。
なぜ韓国だけ?となると、現在デュタステリドを発毛剤として正式に認可している国は日本と韓国だけなので、アメリカ、ヨーロッパ等はよほどの興味と熱意がない限り金の無駄なのです。
あまり情勢を持ち込むのはあれですが、ハッキリ言うと国家ぐるみで捏造やアホみたいな証拠写真を提出する韓国。
その時点でアレルギー的に批判、信頼性0とするのも仕方がなく、
臨床試験データあり➡ヤッター!ウオー!からの
韓国のデータです➡なら信頼できないね。
という方が一定数いるかもしれません。
いわゆる「1番病」
なんでも我々が最初に目を付けた。的な感じでマウントを取りたいがために、「とりあえずのでっち上げ」にしたのではないか?
と、この試験データに難癖をつけてくるかもしれません。
信頼すべき理由はここにある!!
しかし、注目してほしいのは、この試験の副作用や効果の点。
フィナステリドの1.6倍の効果とされるデュタステリド。
1.6倍は言い過ぎでも、デュタステリドの発毛効果に関しては欧米など多くの国が小規模ながら臨床試験を行い、それなりの成果を上げています。
今回の試験でも軽度改善者~中程度改善者が多く、他国の臨床試験と似た成績を出しています。
さらに注目してほしいのが、副作用の発現率。
フィナステリドからデュタステリドへの切り替えで31人中6人に副作用が見られたとする場合、
発現率は約20%。ザガーロの臨床試験結果とほぼ一致することになります。
つまり、試験目的は違えど、そこで発現した効果・副作用は世界で何度も試験されたデータと酷似していることから、あくまで参考としてでも一定の信頼はできると思います。
というわけでこの試験データも、それなりの信ぴょう性があると考えられます。
仮に捏造するなら、副作用の割合を下げて安全性を高めたいところ・・・
国を憎んで人を憎まずだぞ!!
デュタステリドに変更して副作用は?
ここでも気になるのが副作用の違い。
正直、効果は落ちても、副作用リスクの少ないほうがいい。という人はいます。
次は薬の変更に伴う副作用について解説します。
上記でも一度説明している通り、今試験でのフィナステリドからデュタステリドへの切り替えで31人中6人に副作用が見られたとする場合、発現率は約20%。
ザガーロ(デュタステリド)の臨床試験結果とほぼ一致します。
副作用が出るのは効果が高い医薬品ゆえ、避けられない道ですが、
フィナステリドから切り替えたことにより、新たな副作用の発現、悪化がないことは一安心。
上記6人の副作用もデュタステリドになり発現したのか、フィナステリドから引き継いでいたのかは不明。
どちらにせよ、フィナステリドやデュタステリドの副作用のほとんどは思い込みや加齢が原因です。
無理に考えすぎないようにと、少しでも不安なら専門クリニックで治療を開始してください。
実際、私もフィナステリド3年➡デュタステリド4年と変更した身ですが、副作用に関してはフィナステリドのときから全く感じていません。
気をつけたいフィナからデュタへの変更
フィナステリドからデュタステリドへの変更は様々な意見があり、正直私も「これが正しい」とは言えません。
例えば、フィナステリドからデュタステリドへ切り替えの際は、
✅いきなりデュタステリドでは体が驚くので、交互に飲み合わせ徐々にシフトしていく。
という意見もあれば、
✅交互に飲むと血中にフィナ・デュタ2つの成分が混在することになり危険。スパッと切り替えたほうが良い。
✅1週間ほど服用せず、血中のフィナステリド濃度が低くなってきたら服用開始。
という話もあります。
かなりシビアなところなので、こればかりは専門クリニックで最新の見解を聞き入れ、試してください。
と言っても私は用心のため2~3日フィナステリドの服用をやめ、そこからデュタステリドに切り替えました。
デュタステリド剤紹介
それでは最後におすすめデュタステリド薬を少し紹介していきます。
と言っても効果・信頼性◎はクリニックで処方されているザガーロです。
日本で承認されているデュタステリド薬はザガーロのみです。しかしクリニックでの処方のみの為金額も1ヶ月で1万円程するなど正直高い。
1位のアボダートが正規品で他はジェネリックです。
ここには載せてませんが、「デュタス」というデュタステリドジェネリックもありますが、こちらは、1箱300錠入りで1万円程するので、いきなりはオススメしません。
なにより、使い切る前に使用期限が来てしまいますし、薄毛仲間と一緒に使う。となれば、それは個人輸入の方を犯すことになり、ホワイト寄りのグレーから、ブラックになりますので注意です。
まとめ
②アメリカやヨーロッパはAGA治療薬として認めていない。
③しかし日本人と同じで個人で使ってはいる。
④ミノキシジルと同じで実績十分も特定の試験をしてないだけ。
⑤コストがかかりすぎるため承認試験をしていないのでは?
⑥デュタステリドとフィナステリドの比較試験は存在し、優位性が示されている。
⑦韓国の試験1つかないが、試験結果は従来の臨床試験と酷似しており信頼はできる。
⑧フィナからデュタへの変更は専門家の指導の下を強く勧める。
⑨デュタステリド薬は正規品のザガーロと同製薬会社のグラクソ・スミスクライン社が安心。
⑩ザガーロ=アボルブ=アボダート。
どうでしたか?フィナステリドからデュタステリドに変更しても悪化はないということが分かっていただければ幸いです。
最後になりましたが、ミロ様。返答が遅くなり申し訳ないです。
出張に残業のせいなのです・・・と完全にこっちの言い訳ですが、こうして返答することができました。あくまで参考に、育毛に取り組んでください。
一番ダメなのは、よく調べもしないで胡散臭い育毛剤や悪徳クリニックの広告を信じ込むことです。少しでも怪しいなと思ったら、このサイトでも検索してください。
最後に、いつの話だよ!ですが、台風もそれて大災害にならず良かったです。
しかし私のところは地形なのか吹き戻しなのか?台風の影響だったのか?
出勤中の朝の風はすさまじく、幾万もの声を消してました。
それでは今回はこの辺で
またこんど!
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