こんにちは、ミノキシ汁です。
今回は前回「脱毛症ガイドライン徹底解説」という記事で「ミノキシジルタブレットは行わないほうが良い。という最低評価だよ」ということを書くと
「ミノタブはやっぱりやめたほうがいいですか?」
「もっと詳しく教えてほしい」
「なぜ内服薬だけ?」
といった質問がたくさんきたので、それにこたえる形で臨時で記事にしてみました。
まず、脱毛症ガイドラインがなにか?という方は「ここをクリック」
それについて解説した記事は

ミノキシジルをもっと詳しくという方は

最低評価のミノキシジルタブレット
育毛中の男性のほとんどが知っているミノキシジルタブレットとその効果。
最強の発毛剤なのに最低の評価。
まさか、キャピ〇シルやロー〇ウォーターのように低レベルの試験結果が逆鱗に触れたのか?怪しすぎるツッコミ所がみつかったのか?というとそうではないです。
実際に専門クリニックでも使用され、何人もの薄毛者の人生を変えてきた薬。効果は申し分ないのに、なぜこのような扱いを受けるのか。
前置きが長くなりましたが、解説していきます。そして脱線します(笑)
臨床試験を行っていない!?

ミノキシジルの試験データならあるではないか!

たしかに試験データはありますが、これは全て外用薬での結果です。
臨床試験は外用薬のみで内服は行っていない
ガイドラインの解説にも「ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験 は実施されていない」と書いてある通り、内服薬での試験データは存在しません。が、髪がフサフサになるという事実だけは存在します。
なぜ内服薬での試験を行っていないのかというと。
多額の研究費が必要
新たな薬として承認してもらうには、多量の資料、一定以上の規模の臨床試験等、厳密かつ規模の大きな準備が必要となります。
そうなれば費用は莫大なものとなり、研究機関としても大きな負担が発生します。
ミノキシジルの場合、もともと降圧剤として使用され、その副作用で多毛症が見られたため、発毛剤として扱われるようになったのが事の発端です。つまり降圧剤としての臨床試験は終わっています。
それなのに、AGA治療薬として承認するときは、また1から資料や資金を集め大規模な試験を行う必要があります。
当時から髪が生える作用があると判明済みの内服薬。
わざわざコストに見合わないのが分かっているのに、負担の大きい臨床試験を受け持ってやろう。というところはまず現れないでしょう。
これがミノタブの臨床試験が進まない理由のひとつだと思います。

大正製薬が外用のミノキシジルで試験を行ったのも、「塗り薬の方が消費者がとっつきやすい」「降圧剤の副作用を少しでも抑えたい」「コストがかかるなら従来と違うことを」「降圧剤を外用で使用したらどうなるか?」という背景が少しでもあると思います。
髪が生えるという事実がすでにある。
降圧剤として使用されているときに、多毛症がみられ、それから発毛薬に転じましたが、それにより効果が変わったということもなく、使用者の髪をはやしました。
実験して本当に効果があることを確かめる必要があるならまだしも、これだけの事実があるのなら無理して試験を行わなくてもいいか。となります。
それでも試験はやるべきかもしれませんが、そうなれば先にも述べたコストの問題が浮き彫りに。
使えば髪が生えることを分かっているのに、今更試験データをとったからってなにになるのか?という考えがあるのかもしれません。
外用薬より効果が強力なため
ミノキシジルは外用薬で高い効果を示しました。こちらの記事でも書きましたが、内服薬の方が血液をつたい体中を巡回するため、効果が高まります。
しっかりした試験データのある外用ミノキよりも効果があることが分かっていれば、取り立てて莫大な手間とコストのかかる大規模試験を行う必要はないと思うのもひとつです。
これらのことで「内服薬」としてのミノキシジルの試験が進まない要因で、ガイドラインから「はっきりとした試験データがない」と切り捨てられる原因になっていると思います。
説明書通りの使用をしていない
ミノキシジルという毛生え薬は存在しません。降圧剤の副作用で毛が生えているだけです。
要は、本当の使い方をしていないのです。
実際オオサカ堂でのミノタブの効果は「高血圧症」で、米国での適応、日本ではまだ適応がない。と注意書きがあります。
そうなってくると血圧に異常がないのに、降圧剤を医師の指導もなく勝手に飲んでいるということになるので、危険と判断されても仕方ありません。

薬の世界は本当に厳しく、ほんの少しでも可能性があれば副作用として公表しなくてはいけません。
ミノキシジルタブレットの場合、「血圧」つまり心臓にかかわること、多毛症以外にも副作用が存在することがネックで、ガイドラインでは厳しく評価されているのだと思います。
心臓への負担を懸念?
寿命を減らして薄毛を治す?
降圧剤としての副作用は、心拍数増加、動悸、息切れ、胸痛などがあります。
血管拡張作用により血管が広くなり、それにともない心臓はより多くの血液を送り出す必要があります。
そのため心臓への負担が増える可能性がある。と考えられています。
また、すでに降圧剤を服用している。血圧が低い人が何も知らず服用してしまい、血圧を下げすぎる危険もなくはないので、それについても危険を発信しています。

AGA専門のクリニックでは必ず血圧、血液検査を治療開始前と、半年に1回行い、体に異常がないかを調べます。
最低評価も全否定ではない
散々ミノキシジルタブレットの悪評をかかれたように思えますが、実は脱毛症ガイドライン自体は効果自体は認めているも、
・未知の部分や専門外の医師、一般人が安易に服用をすすめること
などを問題視しています。
散々煽った副作用についても、
「多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく」と前置きがあり、
「いちよ副作用はあるから、何かあったとき『黙っていたのか?』『早く言えよ』と言われたら困るし、公表して警告はしとくよ」といった感じに見えます。
素人がいきなり手を出すんじゃない?
ガイドラインの解説を読んでみるとわかるように、
効果に対しての危険性が十分検証されていないのに
・医師が安易な処方
・一般人が個人輸入で服用を開始
これらが医薬品医療機器等法の観点から問題視されていることが記載されており、「絶対に使うな」というわけではなさそうです。

知識の少ない人が無責任にスタートする、させるのが問題です。
なので専門の医師と一緒に、効果と危険性も十分理解したうえで始めることをすすめます。

ほんの少しでも危険性がある分、あいまいな表現でごまかさず、はっきり「行わないように」と言い切る所は、このガイドラインの信頼すべきところだ!
頭ごなしに脅すサイトの方が危険
副作用やデュタステリドの記事で説明しましたが、AGA治療薬に副作用は存在しますが、そのほとんどが思い込みが原因。
ミノキシジルタブレットの副作用は実質、降圧剤の主作用あるいは、そちらの副作用であり、AGA治療で用いる含有量はMAXでも、本使用上限の1/10です。
ガイドラインでも「多毛症以外の副作用の報告は少ない」と記載があります。
ミノキシジルタブレットで動悸が・・・と言っても降圧剤を飲んでいるので、心臓の鼓動が早くなるのは仕方がなく、AGA治療の含有量では血圧に影響が出ることは珍しく。ここでも思い込みが介入してきていると思います。

1%以下の副作用を100%おきるように誇張表現してきます。
しっかり調べればこれだけの情報があるのにもかかわらず、「ミノタブを飲んだら心臓が爆発する」「ミノタブ 突然死」など
こじつけの酷いものだったり、うわべだけの検索で専門の知識よりも素人の感想を優先させる。
まあこれはこの記事でも書きましたが、本能的にネガティブな情報は誇大妄想しやすいので仕方のないことです。
そういったサイトは下の方で副作用も効果もない「水」。間違えた、育毛剤を絶賛しているくらいなのでセコイものです。(削除されそう)
身近な薬にあるミノタブより恐ろしい副作用
痛み止めで有名なロキソニン。
その添付文書の副作用には
・血を吐く
・吐き気
・息苦しい、喘鳴
・白血球減少
・アナフィラキシーショック
等、恐ろしいことがかいてあることを知ってましたか?ここだけきりとるとミノキシジルの副作用よりも恐ろしく感じます。
詳しくはこちら
この事実知らない人の方が多いでしょうし、知っていても、毎回これら副作用が気になって飲むのをやめますか?
これらの副作用の発現率は1%以下のものが多く、一言でいえば「そんなのおきるわけない」レベルだと思われてしまいます。
ただ、薬として登録する際に、すこしでも可能性のあるものは「発現する」と書く必要があるので、こんなことまで公表しなくてはいけません。
現に「ロキソニンは危険。使うのやめた」「ロキソニンの副作用で白血球が減少する」
と煽るサイトは少なく、あってもミノタブのように「絶対飲むな!!」と言い切るサイトは今のところ見つかりません。
それなら上記の副作用が煽られないのは何か?
単純にロキソニンが「みんな知ってる、使ってる薬」だからです。
今、この情報を知っても「ロキソニン危険すぎ、訴えたろ」となる人は皆無でしょうし、
「そんなこと言っても既に使ってるし」「現在異常ないし」というのが普通だと思います。
しかし対象がミノキシジルになるだけで、発現率が低く「おこりうる可能性があるだけで、おきるかわからない」と書かれているのに、
「恐ろしい」「危険」だと思ってしまうのは、ミノキシジルが一般的ではないのと、体験したことがない未知の薬だからです。
知らないから調べる。賢明な判断です。しかしそこで必要以上に不安を煽るサイト、誇張して伝えるサイトを見てしまうと、
脳は本能的に自己防衛で「ミノタブは危険」と感情にロックをかけてしまいます。
そうなれば、まだ薬も飲んでなく、発現率が0%近いのに、脳は「自分にもおこる」と錯覚してしまいます。
少し脱線、脳科学とストレス
しかしこの錯覚が厄介で、実は脳は、現実とイメージが区別できません。
これは脳科学、心理学では有名な話です。
良いイメージは良い結果、悪いイメージは悪い結果を作ってしまいます。
なので、実際に副作用がなくとも「ミノタブの副作用で・・・」と強く思い続けていると、普通は発現しなかったものが、思い込み、錯覚で発現しやすくなってしまいます。

脱線したついでに、例をあげましょう(笑)
例えば、上司に怒られたとします。その時目の前で怒られたストレスを100だと仮定します。
そのあと「さっき怒られたな」と思い出すと、その恐怖がよみがえってきます。その後も、ふと思い出すたびに嫌な気持ちになりますよね。
しかし時間が経つにつれ、その恐怖は少しずつですが和らいでいくはずです。
ここでのストレスは100から80➡70➡60➡50と感情とともに落ち着いていくはずです。
しかし脳はそのイメージ、思い出すら区別ができないので、常に100➡100➡100と思い出すたびに、「目の前で怒られた」と誤認してしまうので、無意識にストレスは膨らんでいるのです。
つまり、勝手なミノタブ(副作用)へのイメージが、脳には想像以上に負荷をかけてしまっています。
詳しくはこちら

「行わないほうが良い」の真相
話を戻しますと、ミノキシジルタブレットが「D」評価(行わないほうが良い)になってしまったのは、
「効果に対しての危険が計り知れてないので、専門外の人が安易に使うべきじゃない」ということだと思います。
なので、効果がない。使うのが危険すぎる。というよりは、
「何も知らず『毛が生える』という話しだけで、仮に副作用が出たとき慌てないように、取り返しのつかないことにならないようにしましょうね」
という警笛を鳴らすと同時に
というのが本音だと思います。

Dクリニックの先生曰く、「皮膚科や専門外の先生が患者がもっと効果が欲しいと言ってきたのをきっかけに、副作用を考えず処方量を増やした。」なんてことがあったらしく、患者より詳しい人が先生ではないといけない。と強い信念を聞かされました。
副作用が気になるなら外用ミノキを
それでもミノタブの副作用が怖いな。でもミノキシジルを使わないと発毛しないのなら、
外用ミノキシジルがオススメです。
外用なら効果は内服には負けますが、ぞの分副作用も少なく、かゆみや赤みがある程度
まあこちらも色々書かれてはいますが・・・それでも内服に比べると副作用は非常に少なく弱いです。
なので内服に抵抗のある方はこちらも参考にしてください。
まとめ
②今更コストに見合わない研究は避けたい
③効果がないのではなく、ちゃんとしたデータがないのが原因
④素人が「毛が生える」というだけで安易に服用するのが目立っている
⑤そのため注意喚起も含めD評価となっている
⑥怖い副作用もあるにはあるが、絶対おきるわけではない
⑦外用のミノキシジルだと効果が緩やかな分、副作用も少なめ
⑧欲を言えば専門クリニックの先生とともに治療するのが1番
どうでしたか?ミノタブD評価についてたくさん質問が来たので、臨時で記事を書きましたが、ボリュームが当初の予想より膨れ上がってしまい、投稿も遅れてしまいました。すみません。
その間もいくつか質問が来ていたので、今回この記事を参考にしていただければ幸いです。
そして少しでも薄毛治療への悩みや恐怖が取り除かれ、変な育毛剤に手を出さないようになりますことを願います。
それでは今回はこの辺で。
またこんど!

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